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ジュリー・アンドリュースの歌と演技も素晴らしかったが、
父親を演じたのクリストファー・プラマーの演技も光っていた。
その彼が昨日死んだらしい。
父親役は頑固で常に見るものから嫌われる存在であったが、
彼はそれを演じ切っていた。
名画の多くには皮肉な役割をする人がいる。
視聴者には憎まれるが大変重要で、この人
次第で名画になるか、なり損ねるかが決まるように見える。
「プラトーン」の鬼軍曹であるバーンズ、「カッコーの巣の上で」の憎まれ看護婦長
がそれで、もう既に映画を見てから20年も経つが、忘れないのは
憎たらしい役割をした人達である。
プラトーンで特に印象に残ったのは、サミュエル・バーバー作曲の「弦楽のためのアダージョ
」だ。バーンズ鬼軍曹の率いるプラトーンが、ベトナムの民家に火を放ち次の戦地に向かう
場面で、突如弦楽のためのアダージョが流れた。
この音楽を聴いた瞬間、私の体に電気が走り、目から涙がこぼれ落ちた。
その後、サミュエル・バーバーを調べたら
なんと私より30年、年上であった。クラッシック音楽に聞こえるが
21世紀の現代音楽であったとは驚きだ。
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